「あなた達は、彼の夢の中で生きている」
　
　この言葉が、私にとって、日本メンタルヘルス協会の基礎講座に、受講するきっかけとなった言葉です。
　
　ある日、母が「私、心理学を、学びに行くわ」と言いました。
　母は当時、祖父（母の父）を亡くし、軽い鬱状態になっていたので、気分転換にもなると思い、私は気軽に「行けばいいんやん」と答えたのを覚えています。母が心理学を学び始めてから数週間が過ぎた頃、元気が無かった母が徐々に明るさを取り戻していく様子に気が付きました。それから数日が過ぎた頃に、母が私に、「あんたも心理学、学べば？体験セミナーが近いうちにあるからさ～」と言ったのです。

当時私は、会社内で対人関係によるストレスを感じ、軽い胃潰瘍になりかけて、私自身、友人からの相談を受ける事が多かった事もあり「とりあえず体験あるなら行ってみるわ」と答えました。普段の私なら、そういったセミナー等には一切興味がなく、もっと別の事に時間を作るような人間だったのですが、私は母から、衛藤先生の講座内容を聞く度に、衛藤先生に一度会ってみたいという関心と同時に心理学に興味が沸いていたのかもしれません。

　そして、いよいよ体験講座当日、会場に着くと同時に思った事が、スタッフ、サポーターの皆さんが不思議なぐらいに笑顔で迎えてくれるのです。私はその理由を、基礎コースの講座を受講するまで分かりませんでした、そして体験セミナーが始まり、衛藤先生の話しを聞いている中で、私が日本メンタルヘルス協会を受講するきっかけになった、しゅんしゅんの話しが始まりました。彼の話を聴いていく中で、私は涙が止まりませんでした…体験講座を受講するまでの私は、仕事の人間関係やいろんな事で悩み、自己判断で「自分だけがなんでや…」と考える事が多かったのです。しかし、しゅんしゅんは、私の歳まで生きる事も叶わず、いろいろな事に悩む事すらも出来ずにこの世を去りました。

　私は衛藤先生が体験講座で話してくれた、しゅんしゅんの話しの最期の「あなた達は、彼の夢の中で生きている。」この言葉を聞いた時、自分がどれだけの事で悩んでいたのかと自問自答するきっかけになり、それと同時に自分の中で何かが変わった気がしたのです。私は話しを聞いた日から、気持ちを切り替えるようにしました。悩む事も受け入れ、毎日を楽しむようになりました。体験講座を受講して約半年が過ぎた頃、不景気の関係もあり、会社を辞めざるを得なくなりました、私は、母に「時間が出来たからメンタル学びに行くわ」と言いました、そして私のメンタルを受講する日々が始まったのです。

　基礎コースの前編を受講する中で、どれだけ他者の話を聴けていなかったのかとショックを受けることばかりでした。前編講座も終了し、後編に入りその講座の日々で、自然と笑っている自分が居て、同じ受講生の皆さんも受講開始の頃とは想像ができないほどに、素晴らしい笑顔になっている事に気がついたのです。その時に、体験講座でサポーターの皆さんが笑顔だった事を思い出しました。メンタルの講座を受講して、心理カウンセラーとしての勉強はもちろんなのですが、それ以前に自分自身の心が豊かになっていたことに気がついたのです。私はその時に、これが、笑顔の理由なんだと思いました。
　
　その頃か、もっと前からなのかは自分でもよく解らないのですが、自分も、もしサポーターとして、始めて講座を受講する人達のサポートができたらなぁと心のどこかで考えていることがありました。
　そして、講座も進み後編コースも終了した頃に、協会の野本さんから電話を頂き「よかったらボランティアとしてお手伝いして貰えませんか？」と誘って頂きました。正直ものすごく嬉しく思い、私は「是非お願します」と答えた事を今でも忘れません。

　そして、名古屋校のサポーターとして、受講生さん達のサポートをしていく側となり、新しく日本メンタルヘルス協会に関わっていく日々が始まったのです。サポーターとしてお手伝いをしながら、受講生さんと関わっていく中で、たくさんの事を、受講生さんにも教えていただきました。
　私は、まだまだ勉強中の身ですが、心理学を学ぶ中で、気づいた事が沢山あります。人と人の出会いの素晴らしさや、相手を思いやる事、人は、一人では決して生きてはいけない事、当たり前だと思う毎日のありがたさ、幸せは身近な所に満ち溢れている事など、日本メンタルヘルス協会の講座を、受講するまで、決して自分では気づく事が、出来ない事ばかりだと思いました。
　私は、講座を受講する度に私の「心」を癒してくれた「心理学」を生かし、沢山の大切な人達に、心から接して行こうと思います。
　そして、心をどのように変える事が、幸せに繋がる道か、たくさんの気づき、与えて下さった衛藤先生、林先生、丸山先生及びスタッフ、サポーターの皆様に心より感謝致します。
　これから私は、さらに沢山の事を学びながら精一杯頑張って行きたいと思います。